こんにちは、ひいろです。
マイホームを買うと受けられる住宅ローン控除。
育休中などで所得が少ない年は、「せっかくの控除を使いきれず、もったいない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
ひいろ私もまさに「この控除、余らせたらもったいない…」と考えて、ある行動に出た結果、住民税で盛大に失敗しました。
結論から言うと、FXの利益を確定して控除を取り切ろうとしたのですが、住民税では申告分離課税の利益に住宅ローン控除が使えず、想定外の納付書が届くことになりました。
今回は、ダブルワークやFX収益などで10年以上確定申告してきた私が、住宅ローン控除の「所得税」と「住民税」の違いでつまずいた実体験と、同じ失敗を避けるためのポイントをお伝えします。
- 住宅ローン控除、「所得税」と「住民税」での扱いの違い
- 申告分離課税(株・FX)では住民税の控除が使えない理由
- 副業・暗号資産など「総合課税」なら対象
- 同じ失敗を避けるためのチェックポイント
なお、住宅ローン控除と確定申告の基本については、確定申告①(初年度の手続き)や確定申告④(副業・投資とあわせて確認したいポイント)でも解説しています。あわせてご覧ください。
今回、思いもよらぬ課税となりとても悔しかったので、同じ失敗をする人が一人でも減れば嬉しいです。
結論:住宅ローン控除は「所得税」と「住民税」で扱いが違う


先に結論からお伝えします。
住宅ローン控除は所得税と住民税の両方から引けますが、株やFXのような申告分離課税の利益については、所得税は控除の対象でも、住民税は対象外でした。
住民税は申告分離課税(株・FX)に住宅ローン控除が使えない
FXの利益や、源泉徴収を選んでいない株式の譲渡益は、「申告分離課税」という区分になり、給与などとは分けて税額を計算します。
所得税ではこの分離課税の利益にも住宅ローン控除を充てられますが、住民税ではそれができません。



「同じ住宅ローン控除なのに?」と思うかもしれませんが、ここが今回の失敗の核心でした。
早見表|所得税はOK・住民税はNG
申告の区分ごとに、住宅ローン控除が使えるかどうかを整理すると次のようになります。
| 申告区分 | 主な例 | 所得税の控除 | 住民税の控除 |
|---|---|---|---|
| 総合課税 | 給与・副業(雑/事業)・暗号資産・ 総合課税を選んだ配当 | ◯ | △(限度額の範囲で対象) |
| 申告分離課税 | 株式の譲渡益・FX・先物取引 | ◯ | ✕(対象外) |



住宅ローン控除の枠は、余っていたのに…
なぜ私は利益確定したのか(当時の判断)
そもそも、なぜ株やFXの利益をわざわざ確定させたのか。
当時の私の考え方を紹介します。
育休中で住宅ローン控除が余りそうだった
育休中は、給与が出ない代わりに、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
この給付金は非課税のため、その年の課税される所得が大きく下がります。
(私の場合は、1年まるまる休業したので、何もしなければ所得0でした)
所得税が少ないと、せっかくの住宅ローン控除も使いきれずに余ってしまいます。
「この控除枠、何かに使えないかな」と考えたのが、そもそものきっかけでした。
育休中の住宅ローン控除や家計管理の考え方は、育休×住宅ローン②(損しない家計管理のポイント)でもまとめています。
スワップ投資の含み益を「よいタイミングで利確」しようとした
当時持っていたのは、デイトレのような短期売買ではなく、スワップポイント(金利差で受け取れる収益)を狙った長期保有のFXポジションでした。
ちょうど運よく含み益が出ていたので、「どうせなら控除が余っているこのタイミングで利確して、スワップも受け取っておこう」と考えたのです。



控除が余る年に利確すれば、税金もかからず一石二鳥だと思っていました。
「所得税+住民税で約20%、控除で取り切れるはず」と考えた
株やFXの利益にかかる税金は、所得税と住民税を合わせて20.315%です。
「この約20%分、住宅ローン控除でまるごと相殺できるはず」——そう見込んで利益を確定しました。
もうお気づきですね。



この見込みは半分しか当たっていなかったのです。
届いた住民税の納付書!何が起きた?


住民税の通知が届く6月、今年は届かないと思って余裕をかましていたのに、納付書が郵便受けに…
所得税と住民税で、何が起きていたのかを分けて説明します。
所得税:住宅ローン控除で課税がゼロに(分離課税分まで吸収できた)
まず所得税の方は、見込みどおりでした。
利益確定で増えた分の所得税も含めて、住宅ローン控除がしっかり効いて、最終的な所得税はゼロに。
確定申告時に、控除によって課税額が減らされて、納付なしとなるのがすぐに見えるので、安心していました。



ここまでは作戦どおり。
住民税:控除されず課税(申告分離課税は対象外だった)
問題はこちら、住民税でした。
分離課税の利益にかかる住民税(5%)には、住宅ローン控除がまったく効かず、そのまま課税されてしまったのです。
「ちゃんと確定申告したのに、なぜ?」と、役所の住民税担当に問い合わせて、初めて申告分離課税が対象外であることを知りました。



役所の手続き漏れを疑った自分が恥ずかしい(笑)
仕組み:所得税が優先、住民税は総合課税のみ&控除限度額あり
住宅ローン控除は、まず所得税から引かれます。
そして、所得税で控除仕切れなかった分が、住民税からも引かれるという流れになります。
更に、住民税の住宅ローン控除には限度額があり、「課税総所得金額等 × 5%(上限97,500円)」となっています。
(入居年によっては、もう少し上限が多い場合もあります)
この「課税総所得金額」は、基本的に給与などの総合課税の所得がベースです。
育休中で総合課税の所得はなかったため、全く控除されず。
一方分離課税の利益にかかった住民税は、そもそも控除の枠に入ってこなかった、というわけです。



控除を取り切るためにそれなりの金額を利確したので、そこそこの納税額。
正直結構ショックでした。
結果どうなった?節税効果は半減+保育料への影響
「税金をかけずに利確できる」と思っていた作戦は、結果的に想定の半分ほどの効果にとどまりました。
基礎控除との兼ね合いで想定外の負担に
2025年(令和7年)は、政府の方針で所得税の基礎控除が大幅にアップしており、所得が少ない人が大きな恩恵を受けられる状態になっていました。
しかし、その基礎控除の底上げは住民税には適用されなかったため、所得税・住民税で課税所得が大きく異なる結果となりやすかったのです。



この基礎控除を加味した上で、ギリギリ控除枠を使い切れるように計算していたので、想定以上の課税となってしまいました。
保育料アップも考えると、ほとんど意味がなかった?
もう一つは、保育料への影響です。
保育料は住民税の額をもとに決まるため、利益確定で住民税が増えると、その後の保育料も上がる可能性があります。
事前に役所に問い合わせ、何の控除が保育料に関係するかを確認した上で、どの程度保育料がアップするかシミュレーションもしました。
ただし、このシミュレーションは、住民税も住宅ローン控除で浮くことを想定したものでしたので、結果的に読みは大きく外れてしまいました。
トータルではほとんど意味がなかったかもしれない——というのが正直な実感です。



根本が間違っていたので、しょうがないですね。
一応、含み益を自由に動かせる現金に換えられたと思って、自分を慰めました。
同じ失敗をしないために


私の失敗談をふまえて、同じように「控除を取り切りたい」と考えている方に向けて、押さえておきたいポイントを整理します。
副業など「総合課税」ならOK(暗号資産・総合課税の配当も)
今回NGだったのは、あくまで「申告分離課税」の利益です。
副業(雑所得・事業所得)や暗号資産の利益、総合課税を選んだ配当など、総合課税で申告する所得であれば、住民税の控除の対象になります。
ただし住民税側は限度額があるので、青天井で節税できるわけではない点には注意です。
副業・投資・ふるさと納税と住宅ローン控除の関係は、確定申告④でもう少し詳しくまとめています。
税務署・役所に聞いても盲点だった理由
実は利確の前に、税務署で当年の税制改正のことを聞き、役所で保育料の計算についても確認していました。
それでもこの落とし穴に気づけなかったのは、「分離課税の利益が、住宅ローン控除の住民税部分の対象外になる」という点が、そもそも頭になかったためです。



いつも確定申告、つまり所得税の段階で取り切るか、余らせても給与(総合課税)分の住民税で吸収できていたので、全く気づかなかったのです。
相談する側の理解もないと、担当の方も一般的な説明にとどまってしまうのだと痛感しました。
質問力、大事…!
節税の前に「所得連動の負担」もシミュレーションを
住民税が増えると、保育料・国民健康保険料(国保)・各種制度の判定など、所得に連動して増える支払いも増えます。
配当も、源泉分離課税ではなく総合課税で申告すると、その分が所得として計算に乗ってきます。
節税できる金額だけを見て判断せず、これらの負担増まで含めて、トータルで損得をシミュレーションしておくのがおすすめです。



「税金がいくら減るか」だけでなく「他の支払いがいくら増えるか」もセットで考えるのが大事です。
心配なら税理士に相談という選択肢
分離課税の利益が大きい年や、投資・副業と住宅ローン控除が重なる年は、判断が複雑になりがちです。
「自分のケースだと損か得か」が読みきれないときは、無料で税理士を探せるサービスを使って、一度プロに相談してみるのも安心です。
👉【PR】税理士ドットコム
👉【PR】
まとめ
住宅ローン控除は、所得税と住民税で「使えるところ」と「使えないところ」があります。
最後に改めて、今回の私の失敗を整理しておきます。
- 住宅ローン控除は所得税と住民税で扱いが違う
- 所得税は株・FXの利益(申告分離課税)にも使えるが、住民税では使えない。
- 育休中の控除枠をもったいなく感じ、FXの利確で控除を取ろうとして失敗
- 育休中で控除が余りそうだったため、スワップ投資の含み益を利確した。
- 所得税はゼロにできたが、住民税は控除されず納付書が届いた。
- 「総合課税」なら住民税でも限度額の範囲で対象
- 副業や、投資の中でも暗号資産・総合課税を選んだ配当などは、住民税でも控除できる。
- 節税と併せて「所得連動の負担」も試算を
- 保育料や国保など、所得が増えると上がる支払いもある。
- 節税額だけで判断せず、トータルでシミュレーションする。
- 不安なときは税務署・税理士に確認がおすすめ
- 税務署等に相談しても見落とすことがあるため、判断に迷う場合は、税理士に相談すると安心。
「控除の枠を余らせたらもったいないな」と思って行動した結果でしたが、目先の欲に目が眩み、舌切り雀のお婆さんになったような気分でした(笑)
この体験談が、同じ失敗を避けたい方の参考になれば嬉しいです。
ではまた👋
◆ 副業・投資・ふるさと納税と住宅ローン控除の関係を知りたい方


◆ 育休中の住宅ローン控除・家計管理を知りたい方


◆ 住宅ローン控除の確定申告(初年度)の手順を知りたい方


🏡 一条の住み心地・設備
☀️ 光熱費・太陽光
💰 お金の話(確定申告・住宅ローン控除)
📌 その他のおすすめ記事









コメント