こんにちは、ひいろです。
今回は、太陽光&蓄電池を導入してから3年半暮らした我が家のリアルな光熱費データをもとに、「本当に元が取れるのか?」を徹底的に検証します。
一条工務店で家を建てる際、「太陽光発電って実際どうなの?」「蓄電池って本当に必要?」という疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
私自身もそうでした。
この記事では、次のポイントを実データ付きで詳しく解説します。
- 3年半の光熱費と売電収入の実績
- 太陽光・蓄電池がなかった場合との差額
- 初期費用は本当に回収できるのか?
- 住んでわかったメリット・デメリットと注意点
など、リアルな数字を元に太陽光の効果を徹底的に検証します。
「太陽光って高いけど、結局どうなの?」と悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
一条工務店の太陽光発電システムの特徴とは?
屋根一体型太陽光パネルで美観と機能を両立
一条工務店の最大の特徴は、屋根と一体化した太陽光パネルです。
従来のように屋根の上に「後付け」するのではなく、パネル自体が屋根材として機能します。
主なメリット:
- 防水・耐久性の向上:雨漏りのリスクが低く、メンテナンス性も◎
- 耐震性アップ:軽量な屋根材で地震時の負荷を軽減
- 火災リスクの低減:飛び火性能試験にも合格
- 美観の保持:すっきりした外観を実現
設計と施工の品質も安心
設計段階から太陽光ありきで設計するため、効率的な配置が可能。
施工も一括で行われるため、品質にバラつきがありません。
発電容量と設置可能枚数の実際
一条工務店の住宅では、10kW以上を載せる方が多いようで、平屋では20kWも可能だとか。
屋根の大きさや形状によって変動しますが、多くの場合、一般的な家庭の電力消費量を上回る容量を載せることが可能です。
我が家の屋根は床面積(50㎡ほど)より一回り大きい程度ですが、そこに10kWの太陽光を載せています。
我が家の太陽光・蓄電池のスペックと条件
- 太陽光容量:10kW(屋根いっぱいに搭載)
- 屋根勾配:1.5寸(約8.5度)・南向き
- 蓄電池容量:7.04kWh(パッケージ)
- オール電化住宅(ガスなし)
- さらぽか空調採用(床暖房&床冷房)
- 契約プラン:東京電力 スマートライフL
- 家族構成:夫婦+子ども1人
光熱費と売電収支(3年半の実績)
光熱費と売電の実績(3年半)
年別の光熱費・売電収支は以下のとおりです。
年 | 買電(kWh) | 売電(kWh) | 買電金額 | 売電金額 | 電気代収支 |
---|---|---|---|---|---|
2022年 | 2,586 | 6,552 | 110,525円 | 124,488円 | +13,963円 |
2023年 | 2,708 | 6,610 | 118,579円 | 125,590円 | +7,011円 |
2024年 | 3,107 | 5,774 | 126,918円 | 109,706円 | -17,212円 |
2025年(上半期) | 1,841 | 2,671 | 75,248円 | 50,749円 | -24,499円 |
※売電単価:19円/kWh(FIT=固定価格買取制度)
ここ2年は電気代高騰の影響で赤字月も出ていますが、トータルではかなり抑えられています。
季節ごとの発電量・消費傾向
春(4月~6月)
- 買電量が減少し、売電量が大きく増加
- 黒字(売電超過)に転じる月が多い
- 春は収支改善が顕著な時期
夏(7月~9月)
- 売電量が多く、買電は比較的少なめ
- 黒字または収支均衡の傾向
- ただし冷房利用により一部赤字
秋(10月~11月)
- 気候が安定し冷暖房使用が少なくなる時期
- 買電量は抑えられる
- 売電量は落ち着くが、収支は年によって黒字にも赤字にもなる
冬(12月~3月)
- 買電量・買電費用が突出して多い(暖房が主因)
- 一方、売電量は少ないため、電気代収支は大幅な赤字
- 特に1月・2月は赤字幅が最大
おおよそこのような傾向がありました。
データの詳細をご覧になりたい方は以下からどうぞ。
各月の発電量データ(2022年1月~2025年6月)
月 | 買電(kWh) | 売電(kWh) | 買電金額 | 売電金額 | 電気代収支 |
---|---|---|---|---|---|
2022/1 | |||||
2022/2 | 403 | 522 | 12,054円 | 9,918円 | -2,136円 |
2022/3 | 467 | 624 | 15,049円 | 11,856円 | -3,193円 |
2022/4 | 256 | 718 | 10,090円 | 13,642円 | +3,552円 |
2022/5 | 138 | 780 | 6,900円 | 14,820円 | +7,920円 |
2022/6 | 109 | 803 | 6,157円 | 15,257円 | +9,100円 |
2022/7 | 173 | 680 | 8,327円 | 12,920円 | +4,593円 |
2022/8 | 266 | 633 | 11,533円 | 12,027円 | +494円 |
2022/9 | 231 | 496 | 10,726円 | 9,424円 | -1,302円 |
2022/10 | 195 | 573 | 9,994円 | 10,887円 | +893円 |
2022/11 | 114 | 439 | 7,336円 | 8,341円 | +1,005円 |
2022/12 | 234 | 284 | 12,359円 | 5,396円 | -6,963円 |
2023/1 | 384 | 333 | 18,552円 | 6,327円 | -12,225円 |
2023/2 | 418 | 340 | 17,052円 | 6,460円 | -10,592円 |
2023/3 | 307 | 544 | 12,800円 | 10,336円 | -2,464円 |
2023/4 | 163 | 579 | 8,124円 | 11,001円 | +2,877円 |
2023/5 | 76 | 831 | 5,482円 | 15,789円 | +10,307円 |
2023/6 | 64 | 699 | 5,097円 | 13,281円 | +8,184円 |
2023/7 | 162 | 572 | 7,287円 | 10,868円 | +3,581円 |
2023/8 | 273 | 757 | 9,645円 | 14,383円 | +4,738円 |
2023/9 | 302 | 604 | 10,059円 | 11,476円 | +1,417円 |
2023/10 | 223 | 452 | 9,103円 | 8,588円 | -515円 |
2023/11 | 90 | 590 | 5,728円 | 11,210円 | +5,482円 |
2023/12 | 246 | 309 | 9,650円 | 5,871円 | -3,779円 |
2024/1 | 375 | 270 | 12,914円 | 5,130円 | -7,784円 |
2024/2 | 457 | 304 | 15,187円 | 5,776円 | -9,411円 |
2024/3 | 327 | 404 | 11,838円 | 7,676円 | -4,162円 |
2024/4 | 246 | 554 | 9,706円 | 10,526円 | +820円 |
2024/5 | 84 | 736 | 5,898円 | 13,984円 | +8,086円 |
2024/6 | 71 | 822 | 5,679円 | 15,618円 | +9,939円 |
2024/7 | 225 | 606 | 10,459円 | 11,514円 | +1,055円 |
2024/8 | 292 | 563 | 12,348円 | 10,697円 | -1,651円 |
2024/9 | 366 | 491 | 13,102円 | 9,329円 | -3,773円 |
2024/10 | 217 | 389 | 9,280円 | 7,391円 | -1,889円 |
2024/11 | 171 | 341 | 8,463円 | 6,479円 | -1,984円 |
2024/12 | 276 | 294 | 12,044円 | 5,586円 | -6,458円 |
2025/1 | 470 | 207 | 17,888円 | 3,933円 | -13,955円 |
2025/2 | 456 | 295 | 16,215円 | 5,605円 | -10,610円 |
2025/3 | 396 | 430 | 14,665円 | 8,170円 | -6,495円 |
2025/4 | 270 | 500 | 11,539円 | 9,500円 | -2,039円 |
2025/5 | 92 | 718 | 6,511円 | 13,642円 | +7,131円 |
2025/6 | 157 | 521 | 8,430円 | 9,899円 | +1,469円 |
いつ元が取れる?費用回収シミュレーション
太陽光がなかった場合の想定コスト
消費全体から買電量を引いた(=太陽光&蓄電池で賄った)分の電気使用量は、以下の通りです。
消費-買電量(kWh) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 0 | 124 | 278 | 325 | 278 | 279 | 419 | 465 | 407 | 287 | 333 | 302 | 3,497 |
2023 | 439 | 420 | 384 | 387 | 354 | 388 | 441 | 536 | 472 | 405 | 346 | 357 | 4,929 |
2024 | 428 | 413 | 447 | 449 | 365 | 403 | 455 | 554 | 537 | 354 | 348 | 392 | 5,145 |
2025 | 505 | 537 | 483 | 485 | 389 | 471 | 2,870 | ||||||
2022~2024計 | 16,441 |
これを電気代に換算すると、こうなります。
金額(円) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 0 | 3,708 | 8,615 | 10,215 | 8,893 | 8,989 | 13,995 | 15,973 | 14,550 | 10,711 | 12,977 | 12,433 | 121,059 |
2023 | 18,543 | 14,822 | 13,033 | 12,578 | 10,436 | 10,934 | 11,823 | 14,016 | 11,866 | 11,393 | 9,650 | 9,885 | 148,979 |
2024 | 11,860 | 11,481 | 12,552 | 12,639 | 10,227 | 11,913 | 14,137 | 17,091 | 14,386 | 9,547 | 9,915 | 12,085 | 147,833 |
2025 | 16,534 | 16,244 | 14,693 | 15,457 | 13,051 | 15,708 | 91,687 | ||||||
2022~2024計 | 509,558 |
3年半で、509,558円分、電気代が浮いていました。
蓄電池併用時の光熱費への影響
蓄電しておいたものを夜間に放電した分の検証もしてみます。
こちらは放電量。
放電量(kWh) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 0 | 111 | 161 | 144 | 121 | 116 | 135 | 143 | 145 | 106 | 130 | 109 | 1,421 |
2023 | 136 | 122 | 114 | 129 | 119 | 131 | 139 | 143 | 144 | 138 | 134 | 121 | 1,569 |
2024 | 140 | 119 | 115 | 130 | 125 | 139 | 133 | 156 | 141 | 132 | 131 | 131 | 1,592 |
2025 | 137 | 136 | 113 | 128 | 126 | 137 | 776 | ||||||
2022~2024計 | 5,358 |
電気代に換算すると、このようになりました。
金額(円) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 0 | 3,322 | 5,002 | 4,528 | 3,885 | 3,728 | 4,523 | 4,900 | 5,196 | 3,939 | 5,060 | 4,476 | 48,559 |
2023 | 5,740 | 4,297 | 3,855 | 4,185 | 3,513 | 3,702 | 3,722 | 3,737 | 3,619 | 3,883 | 3,750 | 3,337 | 47,340 |
2024 | 3,890 | 3,304 | 3,226 | 3,651 | 3,502 | 4,097 | 4,121 | 4,817 | 3,770 | 3,571 | 3,743 | 4,045 | 45,737 |
2025 | 4,472 | 4,121 | 3,436 | 4,067 | 4,227 | 4,561 | 24,884 | ||||||
2022~2024計 | 166,520 |
先ほどの約51万円のうち、166,520円分が、蓄電池によるメリットです。
太陽光+蓄電池の導入費用&現時点の回収額合計
我が家の太陽光+蓄電池(10kW+7.04kWh)のパッケージ費用は、
2,030,500円
でした。
これまで見てきた太陽光+蓄電池の金銭的メリットとして、売電金額と太陽光&蓄電池がなかった場合の買電金額をまとめると、このようになりました。
売電金額 | 太陽光&蓄電池なし | 計 | |
---|---|---|---|
2022年 | 124,488円 | 121,059円 | 245,547円 |
2023年 | 125,590円 | 148,979円 | 274,569円 |
2024年 | 109,706円 | 147,833円 | 257,539円 |
2025年前半 | 50,749円 | 91,687円 | 142,436円 |
計 | 410,533円 | 509,558円 | 920,091円 |
何と3年半で約92万円、費用の45%を回収できていました。
このままのペースでいけば、約8年で元が取れる計算です!

その後はただひたすらにメリットを享受するだけだね!
電気代の高騰で今後さらに差が広がる可能性もありますし、蓄電池があることで「停電時の安心感」という金額に換算しにくい価値もあります。
売電単価が固定される10年を過ぎ、市場価格で半値程度となってしまっても、十二分にメリットのある結果となりました!
一条工務店の太陽光発電で失敗しないための注意点
一条工務店の太陽光発電システムは優れた特徴を持っていますが、導入前に必ず確認すべき重要なポイントがあります。
実際の検証データを踏まえて、失敗しないための注意点を詳しく解説します。
地域・立地条件の重要性
太陽光発電の効果は、住んでいる地域によって、最大20%以上差があります。
3,000kWh違うと、年間で5万円弱変わってきます。
年間発電量の地域差(10kWシステムの場合)
- 九州地方(宮崎市): 約13,450Wh
- 東海地方(静岡市): 約14,310Wh
- 関東地方(横浜市): 約13,660Wh
- 東北地方(秋田市): 約11,080kWh
- 北海道(札幌市): 約12,250kWh
屋根の向きと角度も影響大
屋根は南向きが理想で、北向きは発電効率が大幅減となります。
また、角度は15〜30度が最適です。
方位による発電効率の違い:
- 真南: 100%(基準)
- 南東・南西: 約96%
- 東・西: 約83%
- 真北: 約62%
(出典:太陽光発電協会)
周辺環境による影の影響
- 隣接建物: 3階建て以上の建物が南側にある場合
- 樹木: 常緑樹による年間を通じた影響
- 電線: 電柱や電線による部分的な影
- 将来の建築計画: 近隣の開発予定
将来的な売電価格の下落リスク
FIT価格の推移
売電価格は年々低下しており、今後も下落傾向が続く見込みです。
- 2012年: 42円/kWh
- 2019年: 24円/kWh
- 2021年: 19円/kWh
- 2023年: 16円/kWh
- 2025年: 15円/kWh
(出典:資源エネルギー庁)
また、FIT終了後は売電価格が約半額になります。
ただ、今回の検証で、卒FITまでに回収できそうなのと、売電はもちろんのこと、自家消費でのメリットが想像以上に大きかったので、そこまで心配しなくても大丈夫かと思います。
メンテナンス・修理費用の長期的な考慮
- パワコン交換:約20.9万円(20年に1回)*
- 定期点検:約2.8万円×5回=14万円*
- 蓄電池故障時:約60万円(想定)
- 合計:約100〜120万円(20〜30年で想定)
(*=出典:資源エネルギー庁『調達価格等に関する報告』(令和3年4月)※PDFが開きます。)
なお、一条の蓄電池は長寿命を謳っており、12,000サイクルの充放電が可能とのこと。
1日1回充電・放電を繰り返したとして、理論上は32年以上使用可能です。
太陽光発電・蓄電池導入のメリットとデメリットまとめ
メリット
- 電気代削減&売電による経済効果(年間25万円前後)
- 停電時の安心感
- 環境負荷の低減
- スマートな外観デザイン
- 屋根としての機能性
デメリット
- 初期費用が高額
- 売電単価の下落リスク
- 天候や影の影響を受けやすい
- メンテナンス費用も考慮が必要
どんな人におすすめ?
強くおすすめできる人
- 新築時に一条工務店で建築予定
- 南向きで日照条件が良い土地
- 20年以上住む予定
- 災害対策を重視したい人
慎重に検討すべき人
- 日照条件が悪い、または北向きの屋根
- 高層建物や木に囲まれた立地
- 初期費用の余裕がない方
- 数年以内に転居予定がある方
結論:我が家の太陽光&蓄電池は「あり」でした!
導入から3年半、正直なところ、思っていた以上に「お得」で驚いています。
- 電気代を気にせず快適に過ごせる
- 停電の備えとしても安心
- 光熱費が年々高騰する中で、リスクヘッジになる
投資回収にはあと少しかかりますが、
“光熱費の安定” と “災害への備え”
この2つの価値は、お金はもちろんのこと、心の安定にも繋がっていると実感しています。
太陽光・蓄電池の導入を検討している方の参考になれば嬉しいです。
ではまた👋
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