こんにちは、ひいろです。
今回は、住宅ローンの返済や家計に大きく関わる「産休・育休中の収入」と、その時期の家計管理、使える制度などについてお話しします。
共働きで家を建てるご家庭では、出産にともなう一時的な収入減に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
「収入はどれくらい減るの?」「住宅ローンはちゃんと返せるの?」といった疑問が浮かぶのは当然のことです。
産休・育休中に受け取れる収入の仕組み
住宅ローン控除は損する?
実際の収入減の例
家計を乗り切る考え方
このような働くママ・パパが知っておきたいポイントを実体験とともにまとめました。
これから家づくりを考えている方や、現在育休中で返済に不安を抱えている方にとって、安心して出産・育児に専念するためのヒントになれば嬉しいです。
産休・育休中の収入の基本を知ろう

家を建ててローンを組んだあとに出産を迎えるご家庭では、「産休・育休に入ったら収入はどうなるの?」と不安になる方も多いはず。
ここでは、産休・育休中に受け取れる手当や給付金、実際の収入の変化を整理してみましょう。
まずは制度の仕組みを知っておくだけでも、安心感がぐっと高まりますよ。
産休・育休とは?取得期間の違い
出産に伴う休業は「産休(産前産後休業)」と「育休(育児休業)」の2段階に分かれます。
- 産休(産前産後休業)
- 産前休業:出産予定日の6週間前から(双子以上の場合は14週間前)
- 産後休業:出産の翌日から8週間(医師の許可があれば6週間で復職可能)
- 育休(育児休業)
- 子どもが1歳になるまで(条件により最長2歳まで延長可能)
- パパ・ママ育休プラス:両親が交代で取得 → 1歳2か月まで取得可能
- 男性(パパ)の場合
- 産前休業はなし(会社によって特別休暇ありの場合も)
- 産後パパ育休:出生後8週間以内に最大28日間(分割取得OK)
- 育児休業は女性と同じ条件で取得可能
☝️ 制度の違いを理解しておくと、ローン返済計画や家計の見通しが立てやすくなります。
給付金や手当の種類
産休・育休中に受け取れる主な給付金はこちらです。
種類 | 支給額 | 支給期間 | 支給元 |
---|---|---|---|
出産手当金 (産休中) | 日額賃金の3分の2 | 産前42日+産後56日(最大98日) | 健康保険 |
育児休業給付金 (育休中) | 開始180日間は賃金の67%、181日以降は50% | 子どもが1歳まで(条件により延長あり) | 雇用保険 |
その他の代表的な手当は以下の通りです。
- 出産時:出産育児一時金=50万円(出産費用の補助)
- 出産後:児童手当=0歳~18歳まで月額10,000~15,000円(最大246万円)
- 復帰後:育児時短就業給付金=時短勤務給与の10%(子が2歳になるまで)

思ったよりも公的制度が多くてありがたい!
社会保険料は免除!給付は全額手取りだけれど住民税に注意!
普段の給与では「手取りが少ない…」と感じる大きな理由が社会保険料や税金の天引きです。
ですが、産休・育休中の給付金には以下の特徴があります。
✅社会保険料(健康保険・厚生年金):免除
✅雇用保険料:給与がないため発生しない
✅所得税:給与がないため発生しない
つまり給付金は「決定額=そのまま振込」で、手取り感覚では想像以上に減らないことが多いです。
収入はどのくらい減る?実例で解説
例として「月給30万円」の人が産休・育休を1年間取得した場合をシミュレーションしてみます。
- 産休中(約3.5か月間)
- 出産手当金:約20万円/月(月給の約67%)=70万円
- 育休中(8.5か月間)
- 最初の6か月:約20万円/月(月給の約67%)=120万円
- 残り2.5か月:約15万円/月(月給の約50%)=37.5万円
- 給与だと発生する控除(給付金では免除)
- 給与収入:30×12ヶ月=360万円
- 社会保険料:月額約4.5万円×12ヶ月=約54万円
- 雇用保険料:月額1,650円 × 12ヶ月 = 約2万円
- 所得税:約5万円程度
※産前休業から復帰まで、ちょうど1年だとして試算
※原則休業前6ヶ月の給与=支給総額+交通費(6か月定期の場合は月割したもの)に基づき計算



ただし賞与は対象外なので、ボーナス比率が高い方は影響を大きく受けます。ご注意ください。
手当は非課税、でも住宅ローン控除も対象外!
出産手当金や育児休業給付金は非課税なので、税金はかかりません。
しかし非課税=「住宅ローン控除の対象外」となるため、課税所得が減った分だけ控除が使い切れないケースがあります。
「控除がどのくらい減るのか」については、次の章で詳しく解説します。
住宅ローン控除はもったいない?育休中の所得減少で損するのか検証


ここまで見てきたように、産休・育休中に支給される手当は非課税のため、課税所得が減り、住宅ローン控除を満額使えないケースがあります。
ここでは「控除をどこまで使えるのか」「どのくらい損するのか」を具体的に見ていきましょう。
育休中は収入が減る=控除を使い切れない可能性あり
住宅ローン控除は、まず所得税から差し引かれます。
引ききれなかった分は翌年の住民税から控除できますが、上限は 97,500円。
- 所得税額がゼロの場合 → 所得税での控除は受けられない
- 住民税からの控除にも上限あり → 所得が少なすぎると控除の恩恵はほぼゼロ
このため、育休中は「控除がもったいない」と言われやすいのです。
育休中の年収と住宅ローン控除可能額の目安
住宅ローン控除で戻ってくる金額は、以下のうち少ない方となります。
- 住宅ローンの年末残高の0.7%
- その年の所得税額と住民税額の一部
収入が減ると所得税額も下がり、控除を使い切れない可能性があります。
以下に目安を示します。
年収(給与所得) | 所得税額の目安(扶養控除なし) | 住民税の目安 | 住宅ローン控除の恩恵(所得税) |
---|---|---|---|
~108万円以下 | 0円 | 0〜0.5万円 | 控除の恩恵はほぼない |
~150万円 | 〜約1.2万円 | 〜3万円 | 所得税・住民税合わせて4万円程度 |
~200万円 | ~約3万円 | ~約6万円 | 所得税・住民税合わせて9万円程度 |
~250万円 | ~約4万円 | ~約9万円 | 所得税・住民税合わせて13万円程度 |
~300万円 | 〜約5.5万円 | ~約11.5万円 | 所得税・住民税合わせて17万円程度 |
300万円以上 | 約5.5万円~ | 約11.5万円~ | 控除の恩恵が大きくなる |
※2025年からの税制改正(基礎控除53万円への引き上げ等)を反映した目安です。各種控除や家族構成によって税額は変動します。
ご自身の年収見込みと住宅ローン残高を照らし合わせて、控除をどこまで活かせるかシミュレーションしてみましょう。
今回の試算では、こちらのサイト様のツールを使わせていただきました。
【2025年最新】住宅ローン控除でカバーしきれない時の節税対策


住宅ローン控除を十分に使えなかった方にも、「他の控除制度」を活用することで節税できる余地があります。
ここでは、2025年の税制改正を踏まえて使える制度を整理し、どんな人にどれだけメリットがあるかを見ていきましょう。
「税扶養に入る」という選択肢
育休中・産休中で収入が大きく減ると、住宅ローン控除の恩恵が受けにくくなります。
そのような場合、配偶者の扶養に入ることが有効な戦略です。
- 給与年収108万円以下:配偶者控除
- 給与年収160万円以下:配偶者特別控除(満額)
- 給与年収201.6万円未満:配偶者特別控除(段階的に減少)
2025年以降は、税制改正(基礎控除の引き上げ)に伴い、以上の方が税の扶養控除を受けられる目安となります。
扶養で得する理由①:配偶者の所得税・住民税の節税
育休中の収入が少なく配偶者の税扶養に入ることができれば、配偶者の所得税・住民税の節税が可能です。
扶養に入るかどうかで、世帯の税負担が年間数万円変わることがあります。
以下は育休取得者の年収別に受けられる配偶者控除・配偶者特別控除の額を示した表(2025年改正反映)です。
ご自身のケースでどれだけ節税効果があるかチェックしてみてください。
年収別:配偶者控除・配偶者特別控除(2025年改正反映)
給与収入(育休取得者) | 配偶者控除・配偶者特別控除(所得税) |
---|---|
123万円以下 | 38万円 |
123万円〜160万円 | 38万円 |
160万円〜165万円 | 36万円 |
165万円〜170万円 | 31万円 |
170万円〜175万円 | 26万円 |
175万円〜180万円 | 21万円 |
180万円〜185万円 | 16万円 |
185万円〜190.4万円 | 11万円 |
190.4万円〜197.2万円 | 6万円 |
197.2万円〜201.6万円 | 3万円 |
201.6万円〜 | 0円 |
住民税(配偶者控除・配偶者特別控除 の目安)
給与収入(育休取得者) | 配偶者控除・配偶者特別控除(住民税) |
---|---|
〜103万円 | 33万円 |
103万円〜155万円 | 33万円 |
155万円〜160万円 | 31万円 |
160万円〜166.8万円 | 26万円 |
166.8万円〜175.2万円 | 21万円 |
175.2万円〜183.2万円 | 16万円 |
183.2万円〜190.4万円 | 11万円 |
190.4万円〜197.2万円 | 6万円 |
197.2万円〜201.6万円 | 3万円 |
201.6万円〜 | 0円 |
実際の計算例については、このあと「シミュレーション」で解説します。
扶養で得する理由②:保育料が安くなるかも?!
多くの自治体では保育料の算定に「住民税所得割額」が参照されます。(夫婦合算)
配偶者控除・特別控除を利用すると、住民税所得割額が下がり、「所得階層(保育料クラス)」が下がる可能性があります。
ただし自治体によって計算方式が異なるため、「住民税の所得割がどのように保育料に影響するか」を自治体HPで確認しましょう。



残念ながら、住宅ローン控除は保育料の算定には関係ありませんので、配偶者(特別)控除が使える年限定の恩恵です!
扶養控除でいくら戻る?節税シミュレーション
先ほどの配偶者控除の表に出ていた金額は、あくまで「配偶者(特別)控除で差し引ける控除額」です。
実際にどれくらい税金が減るかは、以下で概算できます。
計算例:
妻:給与収入が100万円で育休に入った
夫:所得税10%、住民税10%、妻の配偶者控除を申告
所得税:38万円(配偶者控除)×10%=38,000円
住民税:33万円(配偶者控除)×10%=33,000円
→ 概算節税額:約71,000円/年(夫の税金が安くなる)
このように、給与収入がある方の扶養に入れば、結果的に世帯全体の手取りを増やすことができます。
また、住民税が3.3万円分減るため、保育料の算定基準が下がり、等級が変わる可能性もあります。
住宅ローン控除と扶養は併用可能!条件は?
実は住宅ローン控除と配偶者(特別)控除は併用可能です。
これは、控除の対象が異なる所得者側の所得を基準としているからです。
- 配偶者(特別)控除:
- 自分の年収が201.6万円未満の場合に、配偶者の所得税・住民税から控除される制度
- 住宅ローン控除:
- 住宅ローンを組んでいる人が、自身の所得税・住民税から一定額が控除される制度
例えば、妻が育休中で少ない所得、夫が給与所得者だとすると、以下の両立が可能になります。
- 妻(育休中):
- 年の途中で育休に入ったため給与所得がある。
- その所得で、住宅ローン控除の適用を受ける。
- 夫(給与所得者):
- 妻の所得が配偶者特別控除の適用範囲内であれば、配偶者特別控除を受ける。
この場合、世帯全体で「配偶者特別控除」と「住宅ローン控除」の両方の節税効果を享受できます!
配偶者(特別)控除を受けるための手続き方法
配偶者(特別)控除を受けるには、年末調整または確定申告で申告する必要があります。
先ほどの例で言えば、
- 夫:年末調整で妻の配偶者(特別)控除を追加で申告する
- 妻:例年通り年末調整する
これだけです!
夫の方は例年と違う申告になるため、勤務先から確認が入る可能性もありますが、育休中で収入がないことを伝えれば問題なく適用されます。
所得証明書などは必要になる可能性があるので、勤務先に確認してみましょう。
- 自分・配偶者の年収見込みを書き出す
- 住宅ローン残高×0.7%で控除可能額を試算する
- 国税庁・民間サイトなどで所得税・住民税のシミュレーションをしてみる
- 所得控除額や扶養控除等を含めて、「年税金」と「家計手取り」にどう影響するか確認
産休・育休中の家計管理と対策


育休中は手当が出るとはいえ、収入減 × 支出増で、休業前と同じようにはいかないことも多いですよね。
特に子ども用品やベビーグッズを揃える時期は、思った以上にお金がかかります。
そこで我が家では、産休・育休による収入減に備えて「家計の見直し」を行いました。
ここからは、実際に効果を感じたこと&おすすめできるポイントをご紹介します。
固定費の見直しでじわじわ効く節約
- 携帯電話料金:格安SIMへの変更(外で使う機会が減ったので問題なしでした)
- 保険:住宅ローンの団信と重複していた医療保険を解約。
- サブスク:動画や音楽配信はほぼ使わなくなったので解約(そもそもサブスクを楽しむ余裕はない…笑)
変動費のコントロールが生活の鍵
- 食費:外食が減ったので節約に。料理が大変なときは宅配・ミールキットで無理なく。
- 日用品:まとめ買いやネットショップを活用して、買い物の回数を減らす。
- 光熱費:おうち時間が増えて上がりがち。電力会社の見直しや節約家電の活用も有効。
支出の優先順位を決める
- 住宅ローン返済(最優先)
- 光熱費・通信費などライフライン
- 食費・日用品
- 趣味・娯楽費(削りやすい部分)



我が家の場合、子連れで外食は減ったので食費は下がりましたが、その分お家時間と洗濯物が増えて水道光熱費はアップ。
また娯楽費も、子連れで行ける場所は限られるので、公園などお金を使わないところに行くことが増えました。
手当・控除をうまく活用
- 生活防衛資金:生活費6か月分を確保しておくと安心。
- 出産育児一時金(50万円):出産費用が安ければ差額を受け取り可能。
- 児童手当:生活費に使わず、貯金やつみたて投資に回すのもおすすめ。
- 税制メリット:
- 出産年は所得税・翌年の住民税が軽くなるケースあり
- 住宅ローン控除、扶養控除、医療費控除、ふるさと納税などをチェック
がんばりすぎない家計管理を
産休・育休中の家計管理は「完璧に節約」よりも「安心して育児できること」が大事です。
宅配やミールキット、時短家電に頼るのも◎。



節約と快適さのバランスをとりながら、無理なく続けていきましょう。
【妊娠・出産×家づくり】こんな時どうする?


妊娠・出産・育児という大きなライフイベントの中で、長期にわたる住宅ローンを抱えるのは、不安が尽きないものです。
ここでは、私自身の経験や、同じように悩んでいる方からよく聞く「ありがちなつまずき」と、その対処法をまとめました。
育休中の家計管理やローン返済、困った時は?


住宅ローンと出産・育児の両立に不安がある時は、プロに相談するのが一番の近道です。
家計全体を見直したい時は → ファイナンシャルプランナー(FP)
- 扶養に入るかどうかの判断や、住宅ローン控除と他の控除の併用シミュレーション
- 保険や教育費など、育児期の支出も含めたライフプラン作成
気になることがあれば一度プロの意見を聞くと安心です。
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返済に困った!どうしてもしんどくなったら
育児中に思わぬ出費が重なり、「返済が厳しい…」ということも。
そんな時は一人で抱え込まず、早めに金融機関へ相談を。
⚠️注意点
・収入が減ったタイミングでの延滞は信用情報に響く可能性
・返済猶予・条件変更ができるか、あらかじめ確認しておくと安心
☝️相談のタイミング
支払いが「遅れそう」と感じたらすぐに連絡を!
多くの金融機関では、「出産・育児による一時的な収入減」への配慮制度があります。



辛い時は一人で抱え込まず、周りの人を頼りましょう。早めに相談を!
まとめ:産休育休中も安心できる資金計画を
産休・育休による収入減は避けられませんが、適切な準備と計画があれば乗り切ることは十分可能です。
改めて、押さえておきたい5つのポイントはこちら。
- 産休・育休中は手当を受け取れる:
- 給与と同水準とはいきませんが、天引き分もないので、実質の手取りはそこまで減りません。
- ただし住民税は前年の所得にかかるため、準備しておきましょう。
- 住宅ローン控除は恩恵が減ってしまう可能性あり:
- 産休・育休中の手当は非課税のため、住宅ローン控除は最大限活用できない場合があります。
- 扶養控除が使えれば家計全体で節税が可能:
- 育休中に所得が減った分、配偶者(給与所得者)の扶養に入ることで、所得税・住民税を節税できます。
- 住宅ローン控除との併用も可能です。
- 家計管理で収支のバランスを取る:
- 育休中は収入が減り、子どものための出費は増えます。
- 固定費の見直しや変動費のコントロールで、無理のない家計管理を心がけましょう。
- 「こんな時どうする?」の対処法を知っておく
- 家づくりと妊娠・出産が重なるなど、ライフステージごとのつまずきポイントと対処法を知っておくことで不安を和らげられます。
- 困った時は一人で抱え込まず、プロを頼ることも大切です。
一説によれば、子どもと過ごせる時間のうち、幼稚園入園時点で18%、小学校卒業時には既に半分以上(55%)が過ぎていると言われています。
だからこそ、産休・育休の時期は、子どもとたっぷり向き合えるとても貴重で大切な時間。
お金の不安をなるべく減らし、安心して出産・育児に専念できる環境を整えていきましょう。
この記事が、少しでもあなたの不安を和らげる助けになれば嬉しいです。
ではまた👋
育休中の住宅ローン審査に関しては、こちらの記事にまとめています。


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住宅ローン含めた家の資金計画や、ライフプランをプロに相談するのもおすすめです。
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住宅取得は情報収集がとても大事。
我が家も資料請求で情報を集め、FP相談で背中を押されて住宅購入へ踏み切れました!
コスパ・タイパよく必要な情報を集めて、快適なお家ライフを満喫しましょう^^